鑑定評価について

不動産鑑定評価とは?その意味とプロセスを解説

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不動産鑑定評価とは、土地や建物などの不動産の経済価値を正確に判定し、それを貨幣額(お金の額)で表すプロセスです。このプロセスは、不動産の物理的な状態や立地条件、社会経済的な要因などを総合的に考慮して行われます。鑑定評価基準によれば、不動産とは「土地およびその定着物(動かせないもの)」を指し、これには建物や構造物が含まれます。

不動産はその名の通り「動かせない財産」を指します。主に土地や建物が該当しますが、建物には「土地に定着している」(動かせない状態である)という特性があります。これには、建物だけでなく、ガソリンスタンドやガスタンク、駅のプラットホーム、トンネルなども含まれます。これらの「土地に定着している物」をまとめて「工作物(土地の定着物のうち簡易なもののみを工作物ということもあります)」と呼ぶことがあります。

不動産鑑定評価は、対象となる不動産の物理的な状態や立地条件を詳細に調査し、社会的・経済的要因を考慮しながら、その不動産が持つ経済価値を評価します。このプロセスは、以下のステップを含みます。

  1. 対象不動産の的確な認識
    まず、不動産の種類や特徴、現状などを正確に把握することから始めます。このステップでは、不動産の物理的状態や法的状況についても確認します。
  2. 関連資料の収集と整理
    次に、市場データや法律情報、地域の経済状況など、評価に必要な資料を幅広く収集します。これらの資料は、評価の正確性を確保するために重要です。
  3. 不動産価格形成の要因と諸原則の理解
    不動産の価格に影響を与える要因(自然的要因、社会的要因、経済的要因、行政的要因など)を分析し、価格形成の原則を深く理解します。
  4. 鑑定評価手法の適用
    収集したデータを基に、適切な鑑定評価手法を駆使して不動産の経済価値を分析します。具体的には、収益還元法(不動産が将来生み出す収益を基に評価する方法)、原価法(再建築費用を基に評価する方法)、取引事例比較法(類似不動産の取引事例を基に評価する方法)などが用いられます。
  5. 最終判断と評価額の提示
    最後に、全ての分析結果を統合し、不動産の経済価値に関する最終判断を行います。この判断は、貨幣額で表示され、依頼者に対して提示されます。

まとめ

不動産鑑定評価は単なる物理的な評価にとどまらず、社会的・経済的要因を考慮して行われる高度な専門作業です。
このプロセスにより、社会における価格秩序の中で、その不動産の価格や賃料がどのような位置にあるのかを明確にすることができます。

参考文献
鵜野和夫著『不動産の鑑定評価がもっとよくわかる本』
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不動産鑑定士という職業について、一般の方々にも分かりやすくお伝えすることを目指しています。不動産に関する知識や業務内容、資格取得のプロセスなど、幅広い情報を提供し、皆様の不動産に対する理解を深めるお手伝いができれば幸いです。 連絡先:info@fudokan.town
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